藤原明子ちゃんがメキメキと上達するのを見てきたクラッチ舘岡。「自分もうまくなってバイクライフをより楽しみたい」とワインディングレッスンに参加を決意!

『弐輪道ライディングレッスン』で藤原明子ちゃんが上手になる様子をレポートしてきた私ことクラッチ舘岡。メキメキ上達していく明子ちゃんを見ていて、実は「うらやましい」と思っておりました。やっぱり上手な方がカッコ良いし、安全に長く楽しみたいですから!

取材の帰り道でアイドリングスタートの練習をしてみたり、公道でできそうな事はコソコソと練習していましたが、やはり一般車両のいない場所のようにはいきません。そんな時にタイミング良く『ワインディングレッスン』が茂原ツインサーキットで開催されました。

通常サーキット走行では周囲も自分も「速く走る」事に執着してしまい、考えて走る事がありません。今回のワインディングレッスンは、しっかりと考えて走れる数少ないチャンスなのです。

STEP1 座学でレッスン後の自分を想像する!

まずは座学です。これまで「座学で理論を理解する」という感じの内容を書いてきましたが、言葉が足りませんでした。ごめんなさい。実際に受講生として座学を受けると、「なぜ必要なのか」「どうなるのか」を理解するだけでなく、できた時のライディングが想像できるのです。

座学では車体の動きをイメージし易いように、模型やハンドルを使用しての説明が多く含まれる。理論と感覚を融合させる為には、イメージがとっても大切なのだ

公道のワインディングでは、真ん中を走ることが安全に繋がる。対向車がはみ出して来た時にも避けられるように、自分がミスをした時にはみ出さないように、そして障害物があった時にどちらにも避けられるように、真ん中を走るのだ。今回のレッスンはほとんどコースの真ん中を走るラインで行われた

柏先生の座学では、操作と車体の動きに加え、できた時のライディングがどうなるのかがしっかりと組み込まれています。例えば半クラッチだけでも「クラッチが当たり始めるポイントを覚える」→「なめらかなスタート&シフトチェンジができる」→「なめらかで衝撃の少ない走りになり、コーナリング中でもシフトダウンできる」と多くの影響が出るのです。

「考えながら走る」を繰り返して「無意識にできるようになる」所までもっていく事。レッスンで教わるテクニックは、全てが「“普通”と思う動作のレベルを上げる」もの。ワンランク上の操作を当たり前にできるようになる事が上達するという事。理論と感覚が融合する事が大切なのです。

大切なのはテクニックだけではありません。呼吸を整え、動ける身体にしておく事、平常心で運転する事も教えてくれます。心技体の全てがバランスよく向上していく事が本当の意味でのスキルアップなのです。

STEP2 乗車前にフォームをチェック!

さぁいよいよバイクに跨がります! と言っても走るのではありません。まずはライディングフォームを先生にチェックしてもらいます。全ての動作が「動き易い」フォームは大切です。特にハンドルの持ち方は大切で、手がグリップに対して直角になりがち。これではスロットル操作もブレーキ操作もハンドル操作もしにくいですし、力んでしまいます。操作しやすくて長距離を走っても疲れないフォームを直接指導してもらいます。

そして最も大切なのが、グリップを強く握らない事。手の平は様々な情報を感じ取るセンサーなのですが、強く握ると感じ取る事ができません。それに力んでしまうと細かな操作ができなくなってしまうのです。

フォームのチェックをしてもらったら、今度はニーグリップ。ブレーキング時にしっかりとニーグリップできていると、腕の負担が軽減されるのです。全ての操作は「力んでいると正確に行えない」のですから、とっても大切な事。怖くないブレーキングの第一歩なのです!

グリップの握り方、ブレーキレバーの握り方、スロットルの動かし方を教えていただく。走っていない時だからこそ、しっかりと頭に入っていくのだ

ニーグリップの確認。ハンドルから手を放し、背中を押してもらう。これでも動かないくらいの強さで、しっかりとタンクを挟まなければならないのである。それだけに、ニーグリップはブレーキをかける時限定にするのだ

STEP3 ごく低速で基本テクニックを学ぶ

アイドリングスタートから加速し、ブレーキをかけて停車する練習。足を出したままで行われる。すぐ足が着ける安心感はあるが、ニーグリップの恩恵を再確認できる練習でもある。日常、無意識にニーグリップを使っている人が多いのだ

フォームとニーグリップのチェックが終わったところで、走行開始です。まずはアイドリングで発進→加速(30km/hまで)→ブレーキの練習。ここではステップの上に足を乗せてはいけません。バランスを崩したら足をすぐに着けるように、足を出しておきます。「安心できる」状況こそ、リラックスして練習するための大前提なのです。

と、エラそうに書いてますが、最初に足をステップ上へ乗せてしまいました…。これはもう癖なんでしょう。「しっかり意識しないと、癖はすぐに出てくる」のだと真っ先に痛感しました。

そしてニーグリップをしない練習によって、腕がかなり疲れる事が判明。やっぱりブレーキ時のニーグリップは大切だったんだなぁ。

午後からのレッスンは、走行前に通り雨が降り、ウェット路面で最初の練習が始まった。ウェットな状態でもしっかりとトラクションをかけると、グリップ力が高い事を再確認できた

さてさて、この練習でのポイントは、クラッチが繋がり始めるポイントでしっかりと止める半クラッチと、ブレーキレバーの遊びを0にしてから握るブレーキング。この2つは「タイヤのグリップ力が増大する」操作で、常に必要とされるテクニック。ほんの僅かなトラクションがタイヤにかかる事で、路面に押し付けられてグリップ力が向上します。

実はフォームチェック中に通り雨が降ったので、路面は濡れていました。ブレーキングも加速も滑り易い状態でしたが、思った以上に急加速をしても、強くブレーキを握っても滑りません! その後に速度を60km/hまで上げましたが、やはり想像以上にブレーキを握る事ができました。と、感動していると「もっと握ってみよう!」と柏先生。マジっすか? これ以上は危ないんじゃないかと…と目で訴えると「手の平にゴゴゴっと感触が来るから、そしたら緩めましょう。グリップを失う前に必ず感触が来ます」との事。遊びを0にしてから3段階でブレーキを握っていくと、タイヤの感触を感じ取れ、ブレーキを緩める事ができるようになります。ここまで経験しておくと、今までとは比べ物にならない程にしっかりとブレーキを握り、コントロールができるようになりました。こういう練習は公道でやっていては危険。ライディングレッスンのありがたみを痛感する瞬間です!

こういった低速の練習でも、真ん中を走る意識は持たねばならない。ラインをイメージして、そのライン上でストップ&ゴーを繰り返す。真ん中が分かり易いように、コーナーではコーンが2つ置かれていて、その間を通って行くのだ

この発進とブレーキの練習をしていると、バランスの良い時と悪い時があります。停止しきる前に片足が着いてしまう事があるのです。柏先生に言われた事を思い出し、静かに深呼吸をしつつ手・腕・肩の力を抜いてみると、今度はしっかりと最後までバランスが保てました。腕の力みがバランスを崩していたのです。普段は気にしない程度の崩れではありますが、意識を巡らせると気になるもの。この低速での練習では「腕の力を抜いて、バランスを保って止まる」事だけにこだわってみました。「ひとつで良いから、しっかり意識して身につけましょう」という先生の言葉が改めて大切だと感じられました。

STEP4 なめらかシフトで安全&快適な走りを学ぶ

なめらかシフトワークの練習前に、理論の説明。ギアの動きなどを把握して、ライディングに役立てるのだ

発進&ブレーキの後は、なめらかシフトワークを学びます。サーキット走行時にコーナー入り口のシフトダウンでロックした経験を持つ私としては、とても気になる練習です。

ここでも重要なのは「遊び」を0にする事。ブレーキング時はブレーキレバー、加速時はスロットルの遊びが0になるポイントを把握する事が大切ですが、シフトワークの場合はクラッチとチェンジペダルの両方が大切です。発進の練習で覚えた「クラッチの繋がりはじめ」をここでも活用します。繋がりはじめるポイントよりもほんの少し握り、繋がるポイントから滑らかに放していくとロックしないシフトダウンが可能になるのです。もちろん、シフトアップでも活用すればギクシャクする事もなく、滑らかな走りができますし、左手の疲れも大幅に軽減できます。さらにチェンジペダルの遊びを0にし、スロットルを戻した瞬間にシフトチェンジすると、もっとスムーズになります。

練習ではクラッチ操作に集中した後、クラッチ操作なしのシフトアップ&ダウンの練習をしていきます。チェンジペダルの遊びを0にしてからスロットルを戻すと、自動的にチェンジペダルが動き始めます。その時に足を動かしてあげれば、クラッチなしでもギクシャクしません。強引な操作は一切不要なのです。

最後にクラッチ操作も交えたシフトワークをしてみると、自分でも驚く程になめらかなシフトダウン(もちろんアップも)できました! ロックしないので、少しバンクしながらでもシフトダウンが怖くありません! 怖くないどころか、シフトチェンジする事が楽しくてたまりません!

先生からのお題にはありませんでしたが、速度を変えずに2〜5速をチェンジして往復してみたりして、大いに楽しみました!

柏先生が実際に走りながらクラッチを使わないシフトチェンジを説明。クラッチを使用していなくても、滑らかなシフトワークができていてみんな驚き!目標のイメージが沸いて行く!

チェンジペダルの遊びをしっかりと0にし、リニアでなめらかなシフトチェンジを目指す。クラッチを使わなくても、どんどん滑らかになっていく。自分自身の変化が分かり易い練習とも言える

STEP5 キープレフト、ハングオフも取り入れて総合練習!

安全に走る為に、ブレーキには常にリーチをかけておく。右手の指がレバーにかかっているだけで、回避率が上がるのだ

ラストは総合練習。ただし「ハングオフを使ってみましょう」というお題付。ハングオフは車体の傾斜角度を緩やかにしてくれるので、レーシングスピードでなくても効果的。リーンウィズやリーンアウトやリーンインと共に、コーナーリングの選択肢に入れておきたい走り方なのです。

ハングオフも5cm、10cm、15cmとずらし幅を変えながら走っていきます。同じスピードで走ると、ずらし幅が多い程に車体の傾斜はゆるやかになっていきます。せっかくなので、リーンウィズやリーンアウト、リーンインも試してみると、特性の違いが出て面白い! 60km/h以下でみんな走っているので、安全に試せてとても楽しくお勉強になります。

そして途中から「ラインを左にしましょう」とお題変更。柏先生は公道では対向車がはみ出す事も考えて、車線の真ん中をキープする事を推奨しており、今回のレッスンも全て真ん中ラインで練習してきました。コーナーにはコーンが2つ置かれていて、その真ん中を通って来たのです。

しかし状況次第では道の左側を走る事も必要になります。今度はコーンの左側を通るのです。

真ん中を通っている時から、しっかりとイメージしたラインをなぞる練習をしてきているので、左側に変わってもかなりイメージ通りに走れます。レッスン開始時に比べてかなり「上手になったんじゃない?」と自分で思ってしまう程です。それに加えて、なめらかなシフトワークやブレーキングがピッタリとハマった時は「スッゲー気持ち良い!」と思わずニンマリしてしまいます。それだけに思った通りにならない時には「何がダメだったんだ…?」と必死に考えます。これが私にとってレッスンの楽しさになりました。

ハングオフを使用しつつ、ラインをキープレフトにして練習。リーンウィズからハングオフに変えても、自分がイメージしたラインをしっかりとトレースしていく事が大切なのだ

スピードこそ通常のスポーツ走行に比べて遅いものの、しっかりとラインをトレースしながら、教わった事を意識しながら走るのはかなりの「スポーツ」です。汗もびっしょり、身体は心地良い疲労に包まれていました。スタッフの方が用意してくれた水やスポーツドリンクがいつもの何倍も美味しい!

考えながら、真剣に走っていると汗びっしょりで汗もカラカラ!休憩時に無料で用意されている水やスポーツドリンクが美味しい!ライディングはスポーツなので、水分補給が大切なのです

レッスン終了後は車座になって感想を発表します。他の方の感想を聞いて気付く事もいっぱいあるのです

走行終了後は参加されたみなさんで輪になって感想を発表します。他の方のお話を聞いていると、自分が意識できていなかった事がたくさん出て来て驚き!「あ、忘れてた!」と叫びそうになります。力を抜くことの確認、ブレーキレバーを握る指の本数を変える、呼吸を整える、などなど忘れていた事を数え上げたらキリがない程…。しかし柏先生は「良いんです。ひとつでも意識を持って走って、確認していけば上達します。少しずつ増やして行けば良いですよ。最初から全部は無理です(笑)」と優しいお言葉。チェック項目が増やせるように、これからも練習せねば!

STEP6 感動と楽しさを味わえる帰り道!

レッスンも終わり、家へ向って走り出します。自分も含めて参加の方はみなさん自走。帰り道もバイクなのです。

今回覚えた中で、もっとも気持ち良かったのが「なめらかシフトワーク」でした。特にシフトダウンが奇麗になめらかにできた時は自分に酔ってしまいそうな程に楽しくて気持ち良いのです。走り出す前から「シフトダウンしたいなぁ」などと思っていました(笑)。

帰り道、いつもなら嫌な赤信号が待ち遠しくなっている自分に驚き! シフトダウンも半クラッチでの発進も、加速時のシフトアップも、今までの自分のライディングとは違っているので楽しいのです! たった半日のレッスンですが、変化が感じられました。

数日後、バイクで岐阜まで往復しました。やはり長距離は疲れますが、腕の疲れは今までの比ではない程に軽減されていました。高速やワインディングを走りながら、何度もグリップの持ち方を確認し、力を抜いたお陰ですね! もう一度レッスンに参加したら、自分の上達具合が分かり易いかもしれないなぁ…と思っています。バイクに乗り始めてから18年、まだまだ楽しみは続きそうです!

みなさんのライディングスクールへのご参加をお待ちしております!